どのような方にお勧めか?
- スギ花粉症、ダニアレルギー症状の根治(スギ、ダニに対するアレルギー体質がなくなる事)を希望する方
- 飲み薬や点鼻スプレーをしても、症状が改善しない方、または不十分な方
- 飲み薬での眠気の副作用が強い方や、薬の量を減らしたい方
- 手術による治療(鼻レーザー手術、鼻中隔矯正術など)を避けたい方
- 今後、ダニ以外のアレルギー物質への感作も避けていきたいと考えている方
Sublingual Immunotherapy
アレルギー性鼻炎は、アレルゲンと呼ばれる原因物質(スギ花粉、ダニなど)によって引き起こされます。舌下免疫療法とは、スギ花粉症の方やダニアレルギーによるアレルギー性鼻炎に対する、体質改善の治療法です。舌下免疫療法は、アレルゲンを舌の下(舌下)に投与する治療法で、その患者さんのアレルギーの原因となっているアレルゲンを、少量から徐々に量を増やし繰り返し投与することにより、体を慣らし、症状を和らげる治療法で根本的な体質改善が期待されます。
問診と血液検査で、アレルギーの原因(アレルゲン)を確かめます。治療は、1日1回舌下に薬剤を投与します。投与後は1分間保持し、その後飲み込みます。投与後5分間はうがいや飲食を控えていただきます。また、投与前後2時間程度は入浴や飲酒・激しい運動を避けていただきます。投与する薬剤(アレルゲン)は約一週間内服後に増量します。副作用に対する対応を考慮し、初回投与は医療機関内で行い、その後30分間は医師の監視下で待機します。翌日(2日目)からは、自宅で患者さん自身が投与しますが、日中や家族のいる場所での投与が推奨されます。治療期間は3~5年が推奨されます。また、投与を長期中断した後、再開する場合は、医師に相談する必要があります。
一般的に舌下免疫療法を含むアレルゲン免疫療法では、8割前後の患者さんで有効性が認められています。スギ花粉症およびダニアレルギー性鼻炎に対する舌下免疫療法においても、種々の報告からその有効性・安全性が確認されています。また、飲み薬や点鼻薬、点眼薬はあくまで一時的に症状を抑えるだけで、根本的な治療ではありません。根本的な体質改善(長期寛解・治癒)を望む患者さんには、積極的にお薦めしています。
副作用としては投与部位である口腔内の腫れ、痒みなどが最も多くみられます。特に、投与後少なくとも30分間、投与開始初期のおよそ1ヵ月間などは注意が必要です。これらの副作用は投与後数時間で自然に回復することが多いのですが、症状が長時間持続する場合は、医師に相談してください。また、アナフィラキシーなど重篤な症状が起こる可能性もあります。アナフィラキシーと考えられる症状が発現した際は、直ちに医療機関を受診するなど迅速な対応が必要です。
花粉の飛散時期(1月~5月)は、治療の開始ができません。
6月~12月に治療開始となります。
季節問わず、いつでも開始できます。